- 日 時 :2012年 7月16日(月)午後 0時30分~4時10分
- 会 場 : 札幌北一条教会
- 講 演 : 「東日本大震災被災支援活動から見えてきたこと」
- 講 師 : 許 伯基(ホ・ベッキ) 在日大韓基督教会つくば東京教会牧師
- 主 催 : ヤスクニ問題委員会・「教会と社会」委員会合同開催
講師の許 伯基(ホ・ベッキ)牧師は映像を用いて、講演してくださいました。
写真が許 伯基牧師です。
「今行かなければ絶対に後で後悔する」
との思いで、イースター礼拝を終えるのを待って被災地へ!
「外国人被災者プロジェクト」のお米1キロ運動で集められたお米は、外国の方を探し出して訪ねる際、情報を提供してくれる仮設に住む人への手土産にも使われました。
日本語がわからないために苦労している人、ご主人を失っていて家族の中で孤立していた外国からの農村花嫁、それまでの仕事を完全に失い生きる術を無くした人…なぜ外国の人の支援なのか?の問いに「想像力を働かせてみてください」と許牧師。
お米には支援のための連絡先が記されています。
被災された方に向き合うための心構えも示されました。
ゴミではなく、「家財」。
ガレキではなく、「ご自宅」。
気持ちに寄り添うことの意味に気づかされました。
家の片付けを手伝う作業では、どんなに効率が悪くても、とにかく被災された方の思いに寄り添って、指示に従うことに努めたそうです。
一緒に寄り添っているうちに、堰が切れたように話し出す人も…。吐き出すことで癒されることも多い事がわかりました。
時間を経た今は傾聴ボランティアも大切と教えられました。
韓国料理にこだわった炊き出し。
家屋の泥出し作業では、小柄な女性が大活躍!
人間の手で作られたもの(倒れた電信柱と右下は線路)は全て破壊されてしまったのに、桜は見事に花を咲かせていた…。
この写真はあまりに印象的なので、新聞報道から拝借したそうです。
ワークショップでは、レスポンス、質疑応答、全体協議が行われました。
許牧師は最初に改革派東仙台教会のボランティアワークに実際に参加していましたが、様々な経緯を経て、NCC JEDROの一員として奉仕しています。
NCC JEDROはNCCJ(日本キリスト教協議会)とその加盟教団・団体によって、東日本大震災への対策機関として設立されました。JEDROの働きは、被災地の人々による人道的支援と復興のためのプロジェクトを、国際的でエキュメニカルな協力体制のもと、支援することを目的としています。
NCC JEDROが支援しているプロジェクトのひとつに東北ヘルプがあります。
許牧師からは、NCC JEDROの活動を通して浮かんできた問題点が指摘されました。又、実際の活動を通して見えてきたことも示されました。
教派や神学的スタンスを超えた協力関係の実現、被災された人に寄り添う志しの必要、人材不足(プロフェッショナリズムの不在)等。
各々の立ち位置や温度差が活動の妨げになる事も教えられました。
今回の経験は、「神からの宿題であり、日本のキリスト教会の成熟の機会でもある」との言葉で締めくくられました。